歯周病の治療PERIO
歯周病治療とは
歯周病治療と言えば、従来は歯科衛生士の歯磨き指導から始まり、歯石を取る歯石除去、そして深いポケットがあれば麻酔し歯茎を切開する手術治療です。
しかし治療後、しっかり磨いているのに、あるいは歯科衛生士に磨けていないところを指摘され歯石除去をしてもらうのに、起床時お口がすっきりしないという方が多いのではないでしょうか?
患者さんに納得のゆく歯磨き指導をし、歯石をしっかり取っているのに経過が不良で再発することに歯科医も大変苦労していました。
そんな中、最近では歯周病は細菌感染症であるという観念から、位相差顕微鏡やリアルタイムPCR検査で口腔内に感染している細菌、真菌、原虫などを特定し、それらに効果のある薬剤を用い、歯周病を内科的に治す治療を行えるようになりました。
従来法で1~2年必要であった歯周病治療が、最短2~3週間で歯茎からの出血、腫れ、口臭、起床時のお口の不快感を劇的に改善できるようになりました。
また歯茎の手術も行う事が少なくなり患者さんの負担が楽になりました。
歯周病治療チェックシートをPDFファイルでご用意いたしておりますので、ダウンロードして記入ご持参頂けるとスムーズです。
歯周病の予防は歯石を取り除くことです
程度の差はありますが、30代の来院患者さんのうち約80%以上は歯周病です。
歯石がついていても気がついていない方が多いようです。歯周病は全身疾患と関係していますので注意が必要です。
また同じように歯石がついていても、将来病状が悪化しない場合と次第に悪化する進行性の歯周病があることが解ってきました。
当院では位相差顕微鏡を用いて口腔内細菌叢を確認し、活発ならせん状菌などの悪玉歯周病菌の有無をバクテリアファインダーを用いて検出します。そして、必要に応じてアジスロマイシンや抗真菌剤あるいは類似効果のある歯磨き剤を用いながら初期治療を行い、菌叢を理想的に改善するようにしています。
菌叢が改善すると、それまでダメージを受けていた歯茎は自然治癒力により回復し、歯周病が改善安定していきます。
悪玉歯周病菌
犬と歯周病について
元々、犬や猫は歯周病菌を持っていませんでした。
悪玉歯周病菌は人間からペットに移ります。
愛犬の歯みがき法について
現在、日本人の食生活が変化しただけでなく、犬の食生活も大きく変化しています。
フィラリアの予防により、近年、犬の寿命は大幅に延びていますが、歯周病の犬が増加しています。
犬用ガム等ではなかなかきれいに歯垢を除去することは困難で、歯ブラシを用いて磨くのが確実な方法です。
また歯周病菌を持った飼い主が使用した歯ブラシを使用すると、愛犬にうつしてしまいますのでご注意ください。
犬の口の中で、歯石がつきやすい部位は人間でいえば犬歯部と大臼部頬側です。
特に大臼部は上下の歯がクロス(上の歯が下の歯の上に完全にかぶさる)していますので、ある程度、開口させていないと、奥歯を磨くことは不可能です。
- まず、左手人差し指で犬の左の頬と口の中に巻き込むようにして開口させます。
- 左手親指で犬の右の頬を上にめくり上げながら、犬の右側の犬歯から大臼歯を磨きます。(かなり奥まで歯がありますので、奥まで丁寧に磨くことが大切です。)
- 次に同様に左手の親指で犬の右の頬を内側に巻き込むようにして開口させ、同様に左側を磨きます。
- 上手に歯みがきができたら、ご褒美をあげるようにします。
毎食後に歯みがきするのが原則ですが、エサと水を同時に与えず、エサを与えてからすぐに歯みがきすれば歯みがきが終わった後すぐに水を飲む習慣がついて、うがい効果が高まります。
私は大根をブロックにカットしてご褒美にあげたりもします。